
本ロゴデザインは、「化学療法」と「緩和ケア」という性質の異なる二つの医療を一つの象徴として統合し、診療科の役割と姿勢を直感的に伝えることを目的に制作しました。
本診療科は、がんに立ち向かう治療と、患者様を支え守るケアの双方を担う診療科です。
その相反する役割を、節度を保ちながら表現することを重視しました。
シンボルマークは、トランプのマークである「スペード」と「ハート」をモチーフとしています。
スペードは、剣士や剣を起源とするマークであることから、がんに対して冷静かつ戦略的に臨む化学療法を象徴しています。
一方、ハートは、僧侶や愛を起源とするマークであり、患者様に寄り添い、痛みや苦しみを和らげる緩和ケアの役割を表しています。
本来、意味の対局にあるスペードとハートという二つのマークを、一筆書きで連続した形として融合させることで、治療とケアが切り離されたものではなく、常に一体となって患者様を支えていることを表現しました。
攻める医療と守る医療、そのどちらか一方ではなく、両方が同時に存在することに診療科としての本質があるという考えを、途切れのない線に込めています。
さらに、二つのマークが重なり合うことで、全体として四葉のクローバーを想起させるフォルムが浮かび上がる構成としました。
四葉のクローバーは幸運の象徴であり、本ロゴではそれを「がんの克服」や「患者様にとっての希望」に重ねています。
直接的な表現を避けながらも、治療とケアの積み重ねが、少しでも良い未来へとつながることへの願いを静かに込めたデザインです。
ハート単体の使用や、武器・戦士といった直接的な比喩は用いず、抽象化された形と構造によって、スペードが象徴する強さと、ハートが象徴するやさしさが一つの中に併存する状態を表現しています。
これは、患者様にも医療従事者側にも過度なイメージを押し付けず、診療科の姿勢を長く伝えるための判断です。
カラーには、清潔感と信頼感、そして心理的な安心感を与えるグリーン系を採用しています。
刺激を抑えた色調とすることで、がん患者さんやご家族への配慮を大切にしつつ、専門性を求められる医療者にもふさわしい落ち着いた印象にまとめました。
本ロゴは、スペードとハートという対極の象徴を融合し、治療とケアの両立をかたちにした、これまでの医療ロゴの発想とは一線を画す提案です。
化学療法・緩和ケア科が担う医療の在り方を、静かに、しかし確かな意志をもって伝えるロゴデザインとして完成しました。

– ご依頼主様の声(東京女子医科大学病院様)–
素人の漠然とした意見を何度も聞いていただき、快く対応していただきました。
たくさんの候補を提案していただき、じっくりと選ばせていただき、改訂案なども素早くご対応いただきました。
最終的に大満足のロゴを作っていただきました。このチームに依頼できて本当に良かったと思っています。
ありがとうございました!!